
私の医院で最も良くブラッシングを行う患者さんは、奥歯にインプラント治療を受けた人です。インプラント(人工歯根療法)とは、なくなった歯の場所のあご骨にチタン製の歯根を埋めて上から人工の歯をかぶせる最新療法。入れ歯や差し歯に比べると、丈夫で違和感も少ないのですが、長持ちするゆえにインプラント周辺の粘膜に炎症が起こったり、インプラントに歯石が付着するため正しいブラッシングが欠かせないのです。
そのため、半年に一回必ず定期的に検診を受けなければいけないのですが来るたびにむし歯が増えている。
これはどういうことか。歯と歯茎の境はしっかりと磨けているのですが、噛む面のブラッシングがおろそかになっていたのです。これには私もスタッフも反省させられました。
四日から歯の衛生週間が始まりました。すでに街頭無料検診で歯周病予防のブラッシング指導を受けられた方もいらっしゃるでしょう。歯周病予防では歯と歯茎の境目を磨くことに注意を促します。しかしそれだけではむし歯は防げません。これまで通り、噛む表面も手抜きせずに磨いてください。
むし歯は宿主(歯)口腔内細菌、基質(食物)、時間の四つの因子の状態が絡み合って発生します。宿主である歯は定期的にフッ素を歯のエナメル質に塗ることで、歯質を強化し、歯の体質を改善できます。
むし歯を防ぐ時間の基本は「3−3−3」。食後三分以内に三分以上のブラッシングを日に三回行うことが基本です。
五月三十日のこのコラムの中で、「口の中に何百億という細菌がいる」とご紹介しましたが、「口の中には三百から四百の細菌がいる」でした。 |